なぜ最強を目指すか
どうも、 医学生のKYです。
相棒の自己紹介から遅ればせながら、自分のことについて少し書き残しておこうと思う。
おれは国内の医学部で学ぶ5年生だ。
卒業後に渡米し、米国でEmergency medicineのresidencyにマッチすること、そして最強の臨床家になること、今描いている理想の未来像はそんな感じだ。
まだ終わったわけじゃないが、今のところ大学生活には満足している。
友人にも恵まれ、手当たり次第面白そうなものに飛びつき、挑戦を重ね、視野を広げてきたおかげで経験と学びは多く得ることができた。
おれが最強になりたい、高みを目指したいと強く最初に思い始めたのは、イギリスに留学した時のことだ。
当時受けた衝撃と敗北感が今も忘れられない。
通っていたキャンパスの近くには学生行きつけのパブがあった。
イギリスでは日本の居酒屋と同じ感覚で、学生はパブに集まり、酒を交わす。
現地の日本人学生とイギリス人学生が交流するjapanese societyが行きつけの店で毎週開かれていた。
僕は短期留学だったが、そのパーティでは中学や高校を卒業してすぐ渡英し、長期で留学に来ている日本人学生も来ていた。
そのうち何人かの学生と仲良くなり、少しずつ友人が増えていった。
当たり前の話だがイギリスの大学に入学し、現地で学問を修めている彼らの英語力は、僕のような純日本人からするとネイティブとさほど変わらない。
やや込み入った話や専門的な会話であっても、イギリス人やその他世界中のネイティブスピーカーと肩を並べて同等の立場で意見を述べ、会話を楽しんでいた。
そんな彼らの姿が、忘れられなかった。
羨ましかったんだ。
だから当時、言いようのない劣等感と敗北感を覚えた。
そう、彼らは英語で自分の専門領域の知識を身につけ、学問を修めている。
自分の夢のために、日本では成し遂げられない目標があるから、海外を目指す。
本来、留学とはそういうものだろう。
彼らは本気だった。
15歳やそこらで1人親元を離れ、見知らぬ土地で生きていくのは相当な勇気が必要だったはずだ。
それでも彼らは海を渡り、世界へ挑戦することを選んだ。
決して楽な道ではなかったはず。
だがその挑戦の過程で一体どれだけ考え、悩み、そして強くなってきたのだろう。
楽しそうに流暢な英語で会話をする日本人を見て、そんなことに思いを馳せていた。
相槌は打つが、会話の2割もわからない。
本当に悔しかった。
彼らのような勇気と行動力のある日本人がどんどん世界へ挑戦し、本当に世界を変える人材へと成長していく。
このグローバリゼーションが進む中で、世界を見据えてるやつらはとっくに行動を起こしていて、毎日強者の揉まれながら成長している。
自分はこのままでいいのか。
帰国した後、そんな思いがずっと拭えなかった。
それからはとにかく数を打った。
インターンや留学、学生団体の立ち上げ、イベントの開催など思いつく限り、興味を持ったものはとりあえずやってみた。
行動しなければ何も始まらない。
挫折や失敗を経験し、惨めな思いをすることもないが、同時に成長もない。
何かに挑戦するのは楽しい。
打ち込んでいる瞬間は、前に進んでいる感覚を得られる。
自分は成長しているのだと、そう言い聞かせては夢中で駆け抜けてきた。
そんな中で、おれにも夢ができた。
海外へ挑戦すること、医師として、プロとしてだ。
海の向こうにはすごいやつらがたくさんいる。
そしてものすごい野心と努力で、熾烈な競争に揉まれながら高みを目指す連中が、きっとたくさんいる。
そしてその中にはもちろん、日本人もいる。
あの日、パブで一緒にエールを飲んでいた日本人学生は、今頃何をしているだろう。
何歩も先を行っているのか。
それとも少しは、彼らに追いつけているだろうか。
焦っているのかもしれない、生き急いでいるのかもしれないな。
だけど時間は過ぎていく、世界も周りも先へ進んでいく。
立ち止まってはいられないだろう。
おれは最強になりたいんだ。
そのために、どんな犠牲や努力も厭わない。
おれという存在がいたっていう爪痕を、なんとしても残したい。
先は長い、だが人生には限りがある。
この旅は、待ってはくれない。
そう、急ぐしかないんだ。